エルサレムの旧市街を歩いていると、朝日に照らされた黄金色の石畳が足元で輝き、遠くからアザーンと教会の鐘が重なり合って聞こえてくる。嘆きの壁に額を押し当てるユダヤ教徒の祈りの声、岩のドームの青いタイルが空に溶け込むように美しく、聖墳墓教会の中で灯る蝋燭の炎がゆらゆらと揺れている。次の瞬間、死海の水面に体を預けると、まるで宇宙に浮いているような不思議な感覚に包まれる。イスラエルは、三大宗教の聖地が共存し、古代から現代までが交差する、世界でここにしかない場所です。
イスラエル基本情報
イスラエルは中東地中海東岸に位置する国で、三大宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)の聖地エルサレムを抱える特別な場所です。日本はエルサレムを首都として承認していませんが、イスラエル政府はエルサレムを首都と定めています。国土は九州ほどの小ささながら、死海やネゲブ砂漠、地中海のビーチリゾートまで多様な景観が詰まっています。
| 首都(イスラエル政府主張) | エルサレム(日本は未承認、テルアビブに大使館) |
| 通貨 | 新シェケル(ILS)/ 1シェケル ≈ 42円 |
| 公用語 | ヘブライ語、アラビア語(英語も広く通じる) |
| ビザ | 90日以内の観光は不要(パスポート残存6ヶ月以上) |
| 時差 | 日本より7時間遅れ(サマータイム時は6時間) |
| フライト時間 | 約12〜15時間(経由便、直行便なし) |
| ベストシーズン | 3〜5月、9〜11月(春と秋が快適) |
入国審査は世界で最も厳格なことで知られており、質問攻めに遭うこともありますが、観光目的であれば問題ありません。過去にイスラム諸国への渡航歴がある場合、別室で詳しく聞かれることもあるので、旅程表や宿泊予約確認書を用意しておくと安心です。また、安息日(シャバット)の金曜夕方から土曜夕方は公共交通機関が止まり、多くの店も閉まるため、旅のスケジュールには注意が必要です。
イスラエル旅行の費用
イスラエルは中東でも物価が高い国で、特にエルサレムやテルアビブは西ヨーロッパ並みの価格帯です。宿泊費、食費、交通費すべてがそれなりにかかるため、予算はしっかり確保しておきましょう。ただし工夫次第でコストを抑えることも可能で、ホステルのドミトリーや市場の屋台グルメをうまく使えば節約旅も実現できます。
節約派
15〜20万円
ホステルのドミトリーに泊まり、市場のファラフェルやフムスで食費を抑える。バスを駆使して移動し、無料の観光スポット(嘆きの壁、ヤッフォ散策など)を中心に回る。テルアビブではビーチで過ごし、宿のキッチンで自炊すればさらに節約可能。死海も公共ビーチを利用すれば無料で浮遊体験ができます。
スタンダード
25〜35万円
3つ星ホテルやゲストハウスの個室に宿泊し、レストランでイスラエル料理を楽しむ。タクシーやシェルート(乗合タクシー)も使いながら効率的に観光。マサダ要塞やベツレヘムへのツアーに参加し、死海のリゾートホテルで1泊するプランも組める。テルアビブでは地中海料理のレストランやカフェ巡りを満喫できます。
リッチ
40〜60万円
高級ホテルやブティックホテルに滞在し、ミシュラン掲載レストランやルーフトップバーでディナー。プライベートガイド付きツアーでエルサレムやマサダを深く学び、死海の5つ星スパリゾートで泥パックやマッサージを堪能。テルアビブではヤッフォのアートギャラリー巡りやワインテイスティングツアーにも参加できます。
費用節約のコツ: エルサレムとテルアビブではフリーウォーキングツアー(チップ制)が充実しており、現地の歴史や文化を学べます。マハネ・イェフダ市場やカルメル市場で食材を買えば、外食の半額以下で済みます。また、Rav-Kavカード(交通ICカード)を使えばバス料金が割引になるので、滞在初日に購入するのがおすすめです。
エルサレム旧市街 – 聖地の中の聖地
エルサレム旧市街は、わずか1平方キロメートルの城壁に囲まれたエリアに、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の最重要聖地が密集する奇跡のような場所です。石畳の路地を歩けば、ユダヤ人地区、キリスト教徒地区、ムスリム地区、アルメニア人地区という4つのクォーターがモザイクのように混在し、それぞれ異なる雰囲気と歴史を持っています。朝早くから巡礼者や観光客で賑わい、夕暮れ時には黄金色の石造りの建物が夕日に染まって幻想的な光景が広がります。
嘆きの壁(西壁)
ユダヤ教最高の聖地である嘆きの壁は、紀元前20年頃にヘロデ王が建設した第二神殿の西側外壁の一部です。神殿そのものはローマ帝国によって破壊されましたが、この壁だけが残り、ユダヤ人にとって祈りの場となっています。高さ19メートル、長さ57メートルの巨大な石壁の前に立つと、数千年の歴史の重みがずしりと伝わってきます。
壁の前は男性エリアと女性エリアに分かれており、訪問者は誰でも祈りを捧げることができます。多くの人が小さな紙に願い事を書いて壁の隙間に挟んでいく光景は、まるで時間を超えた祈りのアーカイブのようです。金曜日の夕方から安息日が始まると、黒い正装をしたユダヤ教徒たちが集まり、歌と踊りで安息日を迎える様子は圧巻。この瞬間に立ち会えたら、イスラエル旅行の最高のハイライトになるはずです。
聖墳墓教会
キリスト教徒にとっての最重要聖地である聖墳墓教会は、イエス・キリストが十字架にかけられたゴルゴダの丘と、復活したとされる墓がある場所に建てられています。4世紀にコンスタンティヌス帝の母ヘレナが建設して以来、破壊と再建を繰り返しながら現在の姿になりました。教会内部は複雑な構造で、カトリック、ギリシャ正教、アルメニア正教など複数の教派が管理を分け合っているため、場所によって雰囲気が異なります。
中央のロタンダ(円形ホール)には、イエスの墓とされる聖墳墓があり、常に長蛇の列ができています。薄暗い内部に入ると、無数の蝋燭が灯り、祈りの声が反響して神秘的な空間が広がります。また、イエスが十字架にかけられた岩があるゴルゴダの丘へは狭い階段を登って到達でき、そこで膝まずいて祈る巡礼者の姿に心を打たれます。宗教に関心がなくても、この場所の持つ圧倒的な力は誰もが感じ取れるはずです。
岩のドーム
イスラム教第三の聖地である岩のドームは、エルサレムのシンボルとも言える美しい黄金のドームと青いタイルが特徴的な建築物です。7世紀末に建設されたこの聖堂は、預言者ムハンマドが天使ガブリエルに導かれて天に昇った場所とされる「聖なる岩」を保護するために建てられました。この岩は同時に、ユダヤ教ではアブラハムが息子イサクを捧げようとした場所でもあり、三大宗教がこの一つの岩を巡って交差しているのです。
残念ながら、ムスリム以外は内部に入ることができませんが、外から眺めるだけでもその美しさに圧倒されます。青、緑、白のタイルがモザイク状に組み合わさり、幾何学模様が太陽の光を受けて輝く様子は、まるで宝石箱のようです。岩のドームがある神殿の丘(ハラム・アッシャリーフ)へは、ムグラビ門から入場可能で、訪問時間が制限されているため事前に確認が必要です。イスラム教徒の祈りの時間や金曜日は入場できないので注意しましょう。
ヴィア・ドロローサ(悲しみの道)
イエス・キリストが十字架を背負って歩いたとされる道、ヴィア・ドロローサは、エルサレム旧市街の中を通る約600メートルの巡礼路です。14のステーション(留)があり、それぞれにイエスの受難の場面が刻まれています。第1留はライオン門近くのムスリム地区から始まり、曲がりくねった石畳の路地を通って、最後の第14留が聖墳墓教会内にあります。
毎週金曜日の午後3時には、フランシスコ会の修道士たちが先導する巡礼行列が行われ、世界中から集まった巡礼者たちが一緒に祈りながら歩きます。観光客も自由に参加できるので、この行列に加わってゆっくりと歩いてみると、2000年前の出来事が現実のように感じられる不思議な体験ができます。途中には小さな教会や礼拝堂、お土産屋、カフェが混在しており、聖と俗が入り混じるエルサレムらしい雰囲気を味わえます。
死海 – 地球で最も低い場所での浮遊体験
海抜マイナス430メートル、地球上で最も低い場所にある死海は、塩分濃度が通常の海水の約10倍という極限環境です。この高濃度の塩分のおかげで、人間の体は自然に浮き上がり、何もしなくても水面に浮かんでいられるという不思議な体験ができます。本を読みながら浮かぶ写真は死海の定番ショットで、SNS映えも抜群です。
死海の水は非常に塩辛いため、目や口に入ると激痛が走ります。絶対に顔を水につけないように注意し、もし目に入った場合はすぐに真水で洗い流しましょう。また、傷がある場合はしみるので、事前に確認しておくことをおすすめします。浮遊体験の後は、岸辺にある黒い泥を体に塗ってパックするのが定番。この泥にはミネラルがたっぷり含まれており、美肌効果があるとされています。
死海周辺にはいくつかのビーチがあり、無料の公共ビーチから高級リゾートのプライベートビーチまで選択肢は豊富です。エン・ボケック地区には多くのホテルが集まっており、スパ施設も充実しています。1泊して朝日や夕日を死海で眺めるのも格別の体験。ただし、死海は年々水位が低下しており、将来的には消滅の危機にあるとも言われているため、今のうちに訪れておくべき場所です。
マサダ要塞 – 砂漠の孤高の要塞
死海の西岸にそびえるマサダ要塞は、紀元前1世紀にヘロデ王が建設した宮殿要塞で、ユダヤ人の抵抗と誇りの象徴とされる場所です。紀元73年、ローマ帝国に対する最後の抵抗拠点として、約960人のユダヤ人がこの要塞に立てこもりましたが、最終的にローマ軍に包囲され、全員が集団自決を選んだという悲劇の舞台でもあります。
標高400メートルの岩山の頂上にあるマサダへは、ケーブルカーで簡単にアクセスできますが、体力に自信があるなら「スネークパス」と呼ばれる登山道を登るのもおすすめです。約1時間の登山は決して楽ではありませんが、朝日が昇る前に登り始め、頂上で日の出を迎える体験は一生の思い出になります。眼下には死海と砂漠が広がり、朝日が岩肌をオレンジ色に染める瞬間は息をのむ美しさです。
要塞の頂上には、ヘロデ王の宮殿跡、浴場、貯水槽、シナゴーグ(ユダヤ教会堂)などの遺跡が残っており、当時の生活を想像することができます。特に北宮殿のテラスから見下ろす景色は圧巻で、ヘロデ王がいかに贅沢な暮らしをしていたかがうかがえます。ユネスコ世界遺産にも登録されており、イスラエルを訪れるなら絶対に外せないスポットです。
その他の必見観光スポット
テルアビブのビーチ
地中海に面したテルアビブは、イスラエルの経済・文化の中心地であり、ビーチリゾートとしても人気です。ゴードン・ビーチやフリシュマン・ビーチは地元民や観光客で賑わい、ビーチバレーやサーフィンを楽しむ人々の姿が見られます。夕暮れ時にはビーチ沿いのカフェやバーで地中海を眺めながらカクテルを飲むのが最高です。
ヤッフォ旧市街
テルアビブに隣接する古代都市ヤッフォは、4000年以上の歴史を持つ港町です。石畳の路地にはアートギャラリーやブティック、カフェが並び、古代と現代が融合した独特の雰囲気を醸し出しています。ヤッフォの丘から見下ろすテルアビブのスカイラインと地中海の景色は絶景で、特に夕日の時間帯がおすすめです。
ベツレヘム
エルサレムから約10キロ南にあるベツレヘムは、イエス・キリストが生まれた場所とされ、聖誕教会が建っています。教会の地下には「イエスの生誕地」とされる洞窟があり、銀の星が埋め込まれた床に巡礼者が額を押し当てて祈ります。ベツレヘムはパレスチナ自治区にあるため、検問所を通過する必要がありますが、ツアーに参加すればスムーズに訪問できます。
イスラエルの絶品グルメ
イスラエル料理は中東料理をベースにしながら、世界中から集まったユダヤ人移民の影響を受けて独自の発展を遂げました。新鮮な野菜、豆類、オリーブオイルをふんだんに使ったヘルシーな料理が多く、ベジタリアンやヴィーガンにも優しいグルメ天国です。ストリートフードからミシュラン星付きレストランまで幅広い選択肢があり、どこで食べても外れが少ないのがイスラエルの魅力です。
フムス
ひよこ豆をペースト状にして、タヒニ(ゴマペースト)、レモン汁、ニンニク、オリーブオイルで味付けしたフムスは、イスラエル料理の代表格です。ピタパンにつけて食べるのが定番で、朝食から夕食まで、いつでも食べられます。イスラエル人のフムスへのこだわりは半端なく、「どこのフムスが一番うまいか」という議論は永遠に続きます。エルサレムやテルアビブには専門店が無数にあり、店ごとに微妙に味が異なるので、食べ比べるのも楽しいです。
ファラフェル
ひよこ豆やそら豆を潰してスパイスを混ぜ、ボール状にして揚げたファラフェルは、イスラエルのファストフードの王様です。ピタパンに挟んで、フムス、タヒニソース、野菜のピクルス、フライドポテトと一緒に食べるのが定番スタイル。サクサクの外側とホクホクの中身、スパイスの香りがたまらなく美味しく、しかも安い。1個20〜30シェケル(約840〜1260円)でお腹いっぱいになるので、節約旅行者の強い味方です。
シャクシュカ
トマトソースにピーマン、玉ねぎ、スパイスを煮込み、その中に卵を落として半熟に仕上げた料理がシャクシュカです。朝食の定番メニューで、熱々のフライパンごとテーブルに運ばれてきて、ピタパンですくって食べます。スパイシーで濃厚なトマトソースと、とろける卵黄の組み合わせが絶品。カフェやレストランによって辛さや具材が異なるので、いろんな店で試してみるのがおすすめです。
サビーフ
イラク系ユダヤ人が持ち込んだサビーフは、揚げナスとゆで卵をピタパンに挟んだサンドイッチです。フムス、タヒニソース、イスラエルサラダ、マンゴーピクルスを加えて、複雑でリッチな味わいに仕上げます。ファラフェルと並ぶストリートフードの人気者で、特にテルアビブのカルメル市場周辺には有名なサビーフ専門店が集まっています。揚げナスのジューシーさと卵のコクが絶妙で、一度食べたらクセになる味です。
バブカ
東欧系ユダヤ人の伝統的なスイーツであるバブカは、チョコレートやシナモンを練り込んだ甘いパンで、渦巻き状の美しい断面が特徴です。しっとりとした生地とリッチなフィリングが絶妙にマッチし、コーヒーや紅茶と一緒に食べると至福のひととき。エルサレムやテルアビブのベーカリーでは焼きたてが並び、店内に漂う甘い香りに誘われて思わず買ってしまいます。
ハルヴァ
ゴマペーストと砂糖を固めたハルヴァは、中東全域で愛されるお菓子ですが、イスラエルでは特にバリエーションが豊富です。プレーン、チョコレート、ピスタチオ、バニラなど様々なフレーバーがあり、市場では量り売りで購入できます。ねっとりとした食感と濃厚な甘さは好みが分かれますが、一度ハマると抜け出せない中毒性があります。お土産にも最適です。
イスラエルの文化と体験
イスラエルは単なる観光地ではなく、数千年の歴史と複雑な現代が交錯する特別な場所です。三大宗教の聖地を訪れるだけでなく、現地の人々の暮らしや文化に触れることで、この国の本当の魅力が見えてきます。宗教行事、市場の喧騒、ナイトライフの活気など、多様な体験がイスラエルでは可能です。
三大宗教の聖地巡礼
エルサレムでは、ユダヤ教の嘆きの壁、キリスト教の聖墳墓教会、イスラム教の岩のドームを1日で巡ることができます。それぞれの聖地で異なる祈りの形を目にし、宗教の多様性と共存の難しさを肌で感じることができます。金曜日の夕方には嘆きの壁で安息日を迎えるユダヤ教徒の歌と踊り、日曜日の朝には聖墳墓教会でのミサ、イスラム教徒の1日5回の礼拝と、宗教行事を見学するのも貴重な体験です。
死海での浮遊体験と泥パック
死海に浮かぶという体験は、他のどこでもできない唯一無二のものです。何もしなくても体が水面に浮き上がり、まるで無重力空間にいるような感覚。泥パックで全身を覆い、太陽の下で乾かしてから死海で洗い流すと、肌がツルツルになるだけでなく、心もリフレッシュされます。リゾートホテルのスパでは、死海の塩やミネラルを使ったトリートメントも受けられ、究極のリラクゼーション体験ができます。
テルアビブのナイトライフ
テルアビブは「中東のパーティー首都」と呼ばれるほど、ナイトライフが充実しています。ロスチャイルド通りやフロレンティン地区には、クラブ、バー、ルーフトップラウンジが集まり、週末には朝まで賑わいます。特に夏のビーチパーティーは最高で、地中海を眺めながらDJの音楽に合わせて踊る体験は忘れられません。また、LGBTQ+フレンドリーな都市としても知られ、毎年6月のプライドパレードには世界中から数十万人が集まります。
マハネ・イェフダ市場
エルサレムのマハネ・イェフダ市場(通称「シュク」)は、地元民の台所であり、観光客にも人気のスポットです。新鮮な野菜、果物、スパイス、チーズ、パンなどが所狭しと並び、売り子の掛け声が飛び交う活気あふれる雰囲気が魅力。試食をさせてくれる店も多く、歩いているだけでお腹がいっぱいになります。夜になると市場はバーやレストランに変身し、地元の若者たちが集まって音楽やお酒を楽しんでいます。金曜日の午後は安息日前の買い出しで大混雑するので、その喧騒を体験するのもおすすめです。
イスラエルの他の都市
エルサレムとテルアビブだけでもイスラエルの魅力は十分に味わえますが、他にも個性的な都市が点在しています。それぞれ異なる雰囲気と歴史を持ち、訪れる価値がある場所ばかりです。
ハイファ
イスラエル第三の都市ハイファは、カルメル山の斜面に広がる港町です。バハーイー教の聖地であるバハーイー庭園は、19段のテラス庭園が山の斜面を美しく彩り、ユネスコ世界遺産にも登録されています。ユダヤ人とアラブ人が比較的平和に共存している都市としても知られ、エルサレムやテルアビブとは異なる穏やかな雰囲気が魅力です。
エイラート
紅海に面したリゾート都市エイラートは、イスラエル最南端の都市で、ダイビングやスノーケリングのメッカです。紅海のサンゴ礁は世界有数の美しさを誇り、色とりどりの熱帯魚と泳ぐ体験ができます。冬でも暖かく、ヨーロッパからのバカンス客に人気です。また、エイラートから車で数時間で、ヨルダンのペトラ遺跡やエジプトのシナイ山へアクセスできるのも魅力です。
ティベリア
ガリラヤ湖畔に位置するティベリアは、ユダヤ教の四大聖地の一つであり、イエス・キリストが活動した場所としても知られています。湖の周辺には多くの教会や遺跡があり、聖書ゆかりの地を巡る巡礼者が訪れます。湖でのボート遊びや、周辺のゴラン高原でのハイキングも楽しめ、エルサレムとは違ったのんびりとした雰囲気が魅力です。
ナザレ
イエス・キリストが育った町として知られるナザレは、北部ガリラヤ地方最大のアラブ人都市です。受胎告知教会はキリスト教徒の重要な巡礼地で、天使ガブリエルがマリアに受胎を告げた場所とされています。旧市街のスーク(市場)ではアラブ文化が色濃く、中東らしい雰囲気を楽しめます。クリスマスシーズンには世界中から巡礼者が集まり、特別な雰囲気に包まれます。
ツファット(サフェド)
標高900メートルの山の上にある古都ツファットは、ユダヤ教神秘主義カバラの中心地として知られています。白い石造りの家々が並ぶ旧市街は、まるで中世にタイムスリップしたような雰囲気。アーティストが多く住んでおり、ギャラリーや工房が点在しています。夏は涼しく、エルサレムやテルアビブの暑さから逃れるのに最適な避暑地です。
ベストシーズンはいつ?
イスラエルは地中海性気候で、夏は暑く乾燥し、冬は比較的温暖で雨が降ります。ただし、死海やネゲブ砂漠などの南部は砂漠気候で、年間を通して乾燥しています。観光に最適なのは春(3〜5月)と秋(9〜11月)で、気温が穏やかで過ごしやすい時期です。
春(3〜5月)
春は花が咲き乱れ、イスラエルで最も美しい季節です。特に3〜4月にはワイルドフラワーが野原を覆い、ネゲブ砂漠まで花畑が広がります。気温は20〜25度前後で快適で、観光には最高のコンディション。ただし、過越祭(ペサハ)の時期(3月下旬〜4月)は国内旅行者が増えるため、宿泊施設が混雑し価格も上昇します。また、この時期は多くの店やレストランがコーシャ(ユダヤ教の食事規定)に従って営業するため、パンを提供しない店もあります。
夏(6〜8月)
夏は非常に暑く、特にエルサレムや死海周辺では40度を超えることもあります。テルアビブは海風があるため比較的過ごしやすいですが、それでも日中は30度以上になります。ビーチリゾートを楽しむには良い季節ですが、遺跡巡りや長時間の屋外観光はかなり体力を消耗します。熱中症対策として、帽子、日焼け止め、水分補給は必須です。一方で、夏は観光客が比較的少なく、宿泊費も安くなる傾向があります。
秋(9〜11月)
秋は春と並んでベストシーズンで、夏の暑さが和らぎ、観光に最適な気候になります。特に10〜11月は雨も少なく、快適に過ごせます。9月下旬から10月初旬にかけてはユダヤ教の新年(ローシュ・ハッシャーナー)と贖罪の日(ヨム・キプール)があり、ヨム・キプールの日は国全体が静まり返り、車も走らない特別な日です。この日を体験するのも興味深いですが、観光施設やレストランがすべて閉まるため、スケジュールには注意が必要です。
冬(12〜2月)
冬は比較的温暖ですが、エルサレムなど標高の高い場所では気温が下がり、稀に雪が降ることもあります。雨季にあたるため、傘やレインコートが必要です。一方、死海やエイラートなどの南部は冬でも暖かく、ヨーロッパからの避寒客で賑わいます。クリスマスシーズンにはベツレヘムやナザレで特別なミサや行事が行われ、巡礼者で溢れます。この時期に訪れるなら、聖地でクリスマスを過ごすという特別な体験ができます。
結論: イスラエル観光のベストシーズンは3〜5月と9〜11月です。特に4月と10月は気候が最も安定しており、花や紅葉も楽しめます。夏は暑さが厳しいですが、ビーチリゾートを中心に楽しむなら問題ありません。冬は雨季ですが、観光客が少なく静かに聖地を巡りたい人には向いています。
旅行の実用情報
インターネットとeSIM
イスラエルでは、ほとんどのホテルやカフェで無料Wi-Fiが利用できますが、移動中や観光地でも常にネット接続が必要な場合はeSIMやSIMカードの購入がおすすめです。ベングリオン空港に到着したら、到着ロビーでSIMカードを購入できます。主要キャリアはCellcom、Partner、Pelephone(Golan Telecom)で、7日間のツーリストSIMが約100シェケル(約4200円)で、データ通信と通話が含まれています。eSIMに対応しているスマホなら、日本で事前に購入して設定しておくとスムーズです。
空港とアクセス
イスラエルの玄関口はテルアビブ近郊のベングリオン国際空港です。日本からの直行便はなく、トルコ航空でイスタンブール経由、ルフトハンザでフランクフルト経由、エールフランスでパリ経由などが一般的です。所要時間は乗り継ぎ時間を含めて12〜15時間程度。空港からエルサレムへは、シェルート(乗合タクシー)で約1時間、テルアビブへは鉄道で約20分でアクセスできます。空港の入国審査は厳格で、パスポートにイスラエルの入国スタンプを押されると一部のアラブ諸国に入国できなくなるため、希望すれば別紙にスタンプを押してもらうことも可能です。
言語とコミュニケーション
イスラエルの公用語はヘブライ語とアラビア語ですが、英語が広く通じます。特に観光地やホテル、レストランでは英語でのコミュニケーションに問題ありません。ただし、市場や地元の小さな店では英語が通じないこともあるため、簡単なヘブライ語のフレーズを覚えておくと喜ばれます。
役立つヘブライ語フレーズ
| シャローム | こんにちは / さようなら / 平和 |
| トダ / トダ・ラバ | ありがとう / どうもありがとう |
| ベヴァカシャー | どういたしまして / お願いします |
| スリハー | ごめんなさい / すみません |
| ケン / ロー | はい / いいえ |
| カマ・ゼ・オレ? | いくらですか? |
安全と注意事項
イスラエルは中東の中では比較的安全な国ですが、政治的な緊張が高まることもあるため、最新の情報を常にチェックすることが重要です。エルサレム旧市街や主要観光地では警備が厳重で、荷物検査が頻繁に行われます。パレスチナ自治区(ベツレヘムなど)を訪れる際は、情勢を確認し、できればガイド付きツアーに参加するのが安心です。
注意すべきポイント:
- 安息日(シャバット): 金曜夕方から土曜夕方まで、公共交通機関が停止し、多くの店やレストランが閉まります。事前に食料や移動手段を確保しておきましょう。
- 服装規定: 聖地(嘆きの壁、聖墳墓教会、岩のドームなど)を訪れる際は、肩や膝を覆う服装が求められます。タンクトップやショートパンツは避けましょう。
- 入国審査: 過去にイスラム諸国への渡航歴がある場合、質問を受けることがあります。旅程表や宿泊予約確認書を用意しておくとスムーズです。
- 水道水: イスラエルの水道水は飲用可能ですが、慣れない場合はボトルウォーターを購入するのが無難です。
- チップ: レストランでは10〜15%のチップが一般的。カフェやファストフードでは不要です。
通貨と支払い
イスラエルの通貨は新シェケル(ILS)で、1シェケルは約42円です(2025年現在)。クレジットカードはほとんどの場所で使えますが、市場や小さな店では現金が必要です。ATMは至る所にあり、日本のクレジットカードやデビットカードで現地通貨を引き出せます。両替は空港や銀行、両替所で可能ですが、レートは場所によって異なるため比較してから利用しましょう。チップは現金で渡すのが一般的です。
交通手段
イスラエル国内の移動は、バス、鉄道、シェルート(乗合タクシー)、タクシー、レンタカーなど選択肢が豊富です。エルサレムとテルアビブ間は鉄道で約1時間、バスでも1時間半程度。死海やマサダへはバスツアーに参加するか、レンタカーでアクセスするのが便利です。エルサレム市内ではライトレール(路面電車)が走っており、主要観光地へのアクセスに便利。テルアビブでは自転車シェアリングやスクーターシェアリングも普及しています。
まとめ – イスラエルで人生が変わる体験を
イスラエルは、三大宗教の聖地が共存し、古代遺跡と最先端テクノロジーが隣り合い、砂漠とビーチリゾートが数時間の距離にある、世界でここにしかない国です。エルサレムの旧市街で数千年の歴史に触れ、死海で浮遊体験をし、テルアビブのビーチで夕日を眺め、市場で地元の人々と交流する。どの瞬間も強烈な印象を残し、旅が終わった後も心に残り続けます。
政治的な緊張や複雑な歴史を抱える国だからこそ、実際に足を運び、自分の目で見て、肌で感じることが重要です。メディアでは伝わらない現地の人々の温かさ、多様性の中での共存の努力、そして日常の中に溶け込んだ聖なる風景。イスラエル旅行は、単なる観光ではなく、自分の価値観を問い直すきっかけになるかもしれません。
嘆きの壁で祈りを捧げる人々、聖墳墓教会で灯る蝋燭の光、岩のドームの輝く黄金のドーム、死海で無重力のように浮かぶ体験、マサダの頂上から見下ろす砂漠の絶景、マハネ・イェフダ市場の喧騒、テルアビブのビーチで感じる地中海の風。これらすべてが、イスラエルという国を形作っています。
イスラエルはあなたを待っています。聖地の石畳を歩き、死海に浮かび、地中海の風を感じてください。そこにはきっと、今まで見たことのない世界が広がっているはずです。
イスラエルで、あなたの人生を変える旅を
聖地の奇跡、死海の浮遊、地中海の輝き — すべてがここにある

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