モロッコ旅行完全ガイド|費用・観光・グルメ【2026年最新】

サハラ砂漠に沈む夕日の茜色。迷路のような旧市街に響くコーランの祈り。スパイスの香りが立ち込めるスーク(市場)の喧騒。タジン鍋から立ち上る湯気。モロッコは、まさに「異世界」です。日本から約15時間。アフリカ大陸の北西端に位置するこの国は、アラブ文化とヨーロッパ文化、ベルベル人の伝統が混ざり合い、五感すべてを刺激する体験が待っています。この記事を読み終わるころには、きっとフライトを検索しているはずです。

モロッコってどんな国?

モロッコ王国は、アフリカ大陸北西端に位置し、地中海と大西洋に面した立憲君主国です。人口は約3,700万人、面積は日本の約1.2倍。公用語はアラビア語とベルベル語で、フランス語も広く通じます。イスラム教徒が約99%を占め、歴史的に多様な文化が混在してきました。

モロッコの最大の魅力は、その「多様性」です。サハラ砂漠の壮大な景色、アトラス山脈の雪景色、地中海沿岸のビーチ、古代ローマ遺跡、色鮮やかなモザイク装飾のイスラム建築、ヨーロッパ風の街並み——これらすべてが一つの国に共存しています。まるで世界中を旅しているような体験ができるのです。

項目 内容
正式名称 モロッコ王国(Kingdom of Morocco)
首都 ラバト(政治)、カサブランカ(経済)
人口 約3,700万人
通貨 モロッコ・ディルハム(MAD)、1MAD=約15円
時差 -9時間(サマータイム時は-8時間)
ビザ 90日以内の観光なら不要!
公用語 アラビア語、ベルベル語(フランス語も広く通用)
宗教 イスラム教(99%)
主要都市 マラケシュ、フェズ、カサブランカ、シャウエン、メルズーガ

ビザが不要、フランス語が通じる、ヨーロッパ系観光客が多く安全性も比較的高い——モロッコは、中東・アフリカの中でも日本人が訪れやすい国です。「アラブの世界に行ってみたいけど不安」という方の最初の一歩に最適なのです。

モロッコ旅行の費用

「アフリカ旅行って高そう…」と思っていませんか?実は、モロッコは意外にもコスパ良く旅できる国です。特に現地での物価は日本の3分の1〜半分程度。ただし、航空券代が高めなので、セール時を狙うかストップオーバーを活用するのが賢い選択です。

航空券の相場

ルート・航空会社 経由地 料金目安(往復)
エミレーツ航空 ドバイ経由 10〜15万円
ターキッシュエアラインズ イスタンブール経由 9〜14万円
カタール航空 ドーハ経由 11〜16万円
エールフランス パリ経由 12〜18万円
ブリティッシュエアウェイズ ロンドン経由 11〜17万円
LCC組み合わせ ヨーロッパ乗り継ぎ 7〜12万円

航空券を安く抑えるコツ

セールを狙う:ターキッシュやエミレーツは年に数回セールを実施。8万円台も狙えます。
ヨーロッパ経由:パリやロンドンで1泊してからライアンエアーなどLCCでカサブランカへ行くと総額が安くなることも。
予約時期:出発3〜5ヶ月前が最安値になりやすい傾向。
入国都市を変える:カサブランカだけでなく、マラケシュ直行も選択肢に。時期によっては安い。

ホテル・宿泊費の相場

モロッコの宿泊施設の最大の魅力は、「リヤド(Riad)」と呼ばれる伝統的な邸宅ホテルです。旧市街の迷路のような路地の奥に佇み、中庭に噴水やタイル装飾がある、まるで宮殿のような空間。1泊1万円前後で泊まれるリヤドも多く、これがモロッコ旅行の醍醐味です。

宿泊タイプ 1泊料金目安 特徴
ドミトリー(ゲストハウス) 1,000〜2,500円 バックパッカー向け、共有スペース充実
個室ゲストハウス 2,500〜5,000円 プライベート重視、朝食付きも
スタンダードリヤド 5,000〜10,000円 伝統的な邸宅ホテル、屋上テラス付き
高級リヤド 10,000〜20,000円 モザイク装飾、プール、スパ付き
5つ星ホテル 15,000〜40,000円 マムーニアなど伝説的なホテル
砂漠キャンプ 8,000〜15,000円 サハラ砂漠での1泊、夕食・朝食込み

食費の相場

モロッコの食費は驚くほど安いです。ローカル食堂でタジン鍋を食べれば300〜500円、屋台のケバブは200円程度。観光客向けレストランでも1,000〜2,000円で豪華なコース料理が楽しめます。

食事タイプ 料金目安
屋台・ストリートフード 100〜300円
ローカル食堂(タジン、クスクス) 300〜700円
中級レストラン 1,000〜2,000円
高級レストラン 3,000〜6,000円
カフェ(ミントティー) 100〜200円
フレッシュジュース 150〜300円

モロッコ旅行の総予算(7泊8日の場合)

節約旅行

15〜20万円

航空券セール + ゲストハウス

  • 航空券: 8〜10万円(セール時)
  • 宿泊費: 2.5万円(3,500円×7泊)
  • 食費: 1.4万円(2,000円×7日)
  • 交通・観光: 2〜3万円
  • その他: 1万円

スタンダード旅行

25〜35万円

中東系航空 + リヤド宿泊

  • 航空券: 12〜14万円
  • 宿泊費: 5〜7万円(7,000〜10,000円×7泊)
  • 食費: 3.5万円(5,000円×7日)
  • 交通・観光: 3〜5万円
  • その他: 2万円

リッチ旅行

40〜60万円

ビジネスクラス + 高級リヤド

  • 航空券: 20〜30万円(ビジネス)
  • 宿泊費: 10〜15万円(15,000〜20,000円×7泊)
  • 食費: 5万円(高級レストラン)
  • 交通・観光: 5〜7万円(プライベートツアー)
  • その他: 3万円

航空券がネックですが、現地は驚くほどリーズナブル。欧州旅行と比べても総額はほぼ同じか安いくらいです。特にリヤドのコスパの良さは感動もの。日本で同じクオリティのホテルに泊まろうと思ったら3〜4万円はかかります。

モロッコの絶対行くべき観光スポット

モロッコは小さな国ではありません。見どころが多すぎて、1週間ではとても回りきれないほど。ここでは「初めてのモロッコ」で絶対に外せない5大スポットと、時間があれば訪れたいエリアを紹介します。

マラケシュ — 赤い街と魔法の広場

マラケシュは、モロッコを代表する観光都市です。旧市街全体がユネスコ世界遺産に登録され、街全体が赤茶色の土壁で覆われていることから「赤い街(Red City)」と呼ばれています。空港から旧市街までタクシーで15分。着いた瞬間から、喧騒と色彩とスパイスの香りに包まれます。

ジャマ・エル・フナ広場は、マラケシュの心臓部。昼間はオレンジジュース売りやヘナタトゥーの屋台が並び、夕方になると屋台料理の煙が立ち込め、蛇使い、太鼓奏者、語り部たちが集まってきます。まるで中世にタイムスリップしたような、混沌とした活気。広場を囲むように建つカフェの屋上テラスから眺める夕暮れの広場は、一生の思い出になります。

バヒア宮殿は、19世紀に建てられた宰相の邸宅。繊細なモザイクタイル、彫刻が施された天井、中庭に咲く花々。イスラム建築の美しさをこれでもかと堪能できます。マジョレル庭園は、フランス人画家イヴ・サンローランが愛した青い邸宅と植物園。鮮やかなコバルトブルーの建物と、熱帯植物のコントラストがフォトジェニックすぎます。

そして、スーク(市場)。迷路のように入り組んだ路地に、革製品、陶器、ランプ、スパイス、絨毯、銀細工の店がびっしり並びます。値札はなく、すべて交渉次第。「最初の言い値の半額以下」が相場です。客引きもしつこいですが、これもモロッコ旅行の醍醐味。怖がらずに値切り交渉を楽しんでください。

マラケシュ攻略のコツ

宿泊は旧市街(メディナ)のリヤドで:徒歩で主要スポットにアクセスできます。ただし路地が複雑なので、宿のスタッフに送迎を頼むのがベター。
スークは午前中がおすすめ:午後は混雑し、夕方は閉まる店も。
広場は夜が本番:ただし貴重品管理は厳重に。
ガイド不要:勝手にガイドを始めてくる人がいますが、無視してOK。必要なら公認ガイドを宿で手配。

フェズ — 世界最大の迷宮都市

フェズは、モロッコの古都であり、精神的な中心地。旧市街「フェズ・エル・バリ」は、世界最大規模の車両進入禁止エリアとして知られ、9,000を超える路地が迷路のように入り組んでいます。Google Mapすら役に立ちません。道に迷うことそのものが観光です。

タンネリ(なめし革工房)は、フェズのシンボル。大きな染色槽が並び、職人が革を染める様子を見学できます。ただし、独特の匂いが強烈。ミントの葉を鼻に当てながら見学するのが定番です。色とりどりの染色槽を上から見下ろす景色は、まるで絵画のよう。

ブー・イナニア・マドラサは、14世紀のイスラム神学校。精緻なモザイク装飾と彫刻が圧巻です。カラウィーン・モスクは、859年創建の世界最古の大学の一つ。イスラム教徒以外は内部に入れませんが、巨大な門と中庭を外から眺めるだけでも価値があります。

フェズのスークは、マラケシュよりもローカル色が強く、観光客向けではない日用品店も多いです。革製品の品質はモロッコ随一。バブーシュ(革のスリッパ)やバッグを買うならフェズがおすすめです。

シャウエン — 青い街の絶景

リフ山脈の麓に佇む小さな町、シャウエン。街全体が青く塗られた「青い街」として世界中のインスタグラマーの聖地になっています。なぜ青いのか?諸説ありますが、ユダヤ教の聖なる色とする説、虫除け効果があるという説、涼しく見せるためという説など、ロマンチックな謎に包まれています。

シャウエンは、とにかく歩くだけで楽しい。青い壁、青い階段、青いドア。どこを切り取っても絵になります。猫がのんびり寝そべり、カフェのテラスからはミントティーの香りが漂ってきます。マラケシュやフェズの喧騒とは真逆の、のどかで穏やかな時間が流れています。

スペイン・モスクは、町を見下ろす丘の上にある廃墟のモスク。ここから見る夕暮れのシャウエンは絶景です。青い街がオレンジ色に染まる瞬間は、息をのむ美しさ。ラス・エル・マ広場は、川沿いの小さな広場で、地元の人々が洗濯をする姿が見られます。観光地というより、生活の場。それがシャウエンの魅力です。

シャウエンは、フェズから約4時間、タンジェから約2時間。山道なのでバス移動は酔いやすいです。1〜2泊してのんびり過ごすのがおすすめ。ハイキングコースもあり、アウトドア派にも人気です。

サハラ砂漠 — 人生で一度は見たい星空

正直に言います。モロッコ旅行のハイライトは、サハラ砂漠です。ラクダに乗って砂丘を登り、砂漠のキャンプで一晩を過ごす体験——これは、人生観が変わるレベルの体験です。

サハラ砂漠へのゲートウェイは、メルズーガという小さな村。マラケシュやフェズから車で約9〜10時間かかるため、1泊2日または2泊3日のツアーに参加するのが一般的です。途中、アトラス山脈を越え、トドラ渓谷の断崖絶壁を通り、オアシスの町を経由します。この移動そのものが絶景の連続。

メルズーガに到着したら、エルグ・シェビ砂丘へ。ラクダに揺られながら約1時間、砂丘のど真ん中にあるキャンプ地を目指します。夕暮れ時、砂丘に沈む太陽はオレンジから赤へ、紫へと色を変えていきます。360度、砂しかない世界。風の音と、ラクダの鈴の音だけが響きます。

そして夜。満天の星空が広がります。天の川がくっきりと見え、流れ星が次々と流れます。キャンプファイヤーを囲み、ベルベル音楽の演奏を聴きながら、ミントティーを飲む。電気も騒音もない、究極の静寂。「地球ってこんなに美しかったんだ」と、心から思える瞬間です。

朝は日の出前に起床。砂丘の頂上に登って、サハラに昇る太陽を眺めます。朝日に照らされた砂丘は、金色に輝きます。この景色を見ずに帰ることは、モロッコ旅行の半分を損しているようなものです。

砂漠ツアーの選び方

ツアー会社:マラケシュやフェズの宿で手配可能。相場は1泊2日で150〜250ユーロ(食事・宿泊込み)。
時期:夏(6〜8月)は灼熱、冬(12〜2月)は夜が極寒。春(3〜5月)と秋(9〜11月)がベスト。
持ち物:日焼け止め、サングラス、砂除けスカーフ、懐中電灯、防寒着(夜は10度以下になることも)。
キャンプの質:スタンダード(共同トイレ)〜ラグジュアリー(専用バス・電気付き)まで様々。予算と好みで選択。

カサブランカ — モダンなモロッコ

カサブランカは、モロッコ最大の都市であり、経済の中心地。古都とは違い、高層ビルが立ち並ぶモダンな街です。映画「カサブランカ」の舞台として有名ですが、実は映画はハリウッドで撮影されており、実際の街とは雰囲気が異なります。

ハッサン2世モスクは、カサブランカ、いや、モロッコ全土で最も壮大な建築物。海に突き出すように建ち、世界で3番目に大きなモスクです。高さ210mのミナレット(尖塔)は圧倒的な存在感。イスラム教徒以外も内部見学ツアーに参加できる貴重なモスクです。(見学料: 120MAD/約1,800円)

内部の大理石の床、モザイク装飾、彫刻が施された柱、シャンデリア——すべてが豪華絢爛。礼拝堂の床の一部はガラス張りで、下に海が見えるという驚きの仕掛けも。建設に6年、総工費6億ドルをかけた、モロッコの威信をかけた建築です。

カサブランカは、他の都市に比べて観光名所は少ないですが、近代的なカフェ文化、アールデコ建築、海沿いのコルニッシュ(遊歩道)など、違った一面のモロッコを楽しめます。マラケシュやフェズへの移動の拠点として立ち寄るのが一般的です。

その他の注目エリア(グリッド形式)

エッサウィラ

大西洋沿岸の港町。「モロッコのサントリーニ」と呼ばれる青と白の街。シーフードが絶品。マラケシュから日帰り可能。

アイト・ベン・ハドゥ

世界遺産の要塞都市。「グラディエーター」「ゲーム・オブ・スローンズ」のロケ地。赤土の城壁が絶景。

ラバト

モロッコの首都。ハッサンの塔、ウダイヤのカスバなど見どころ多数。落ち着いた雰囲気の街。

メクネス

「モロッコのベルサイユ」。巨大な城門バブ・マンスールが有名。フェズから日帰りで行ける古都。

トドラ渓谷

高さ300mの断崖絶壁が続く渓谷。ロッククライミングの聖地。サハラ砂漠ツアーの途中で立ち寄り。

ダデス渓谷

「バラの谷」として有名。5月にはバラ祭り開催。カスバ(要塞)が点在する絶景ルート。

モロッコグルメ完全ガイド

正直に言います。モロッコ旅行の楽しみの40%は「食」です。クスクス、タジン、ハリラスープ、ミントティー——どれもスパイスとハーブが効いた独特の味わい。アラブ料理とフランス料理、ベルベル料理が融合した、唯一無二の美食文化があります。

絶対食べるべきモロッコ料理

料理名 どんな料理? 価格目安
タジン(Tagine) 円錐形の土鍋で蒸し煮した肉と野菜。チキン×レモン×オリーブが定番。甘みとスパイスが絶妙 400〜800円
クスクス(Couscous) 世界最小のパスタ。ふわふわの粒に野菜と肉の煮込みをかけて。金曜日はクスクスの日 500〜1,000円
パスティラ(Pastilla) 鳩肉(または鶏肉)とアーモンドをパイ生地で包み、粉砂糖をまぶした甘じょっぱい料理 800〜1,500円
ハリラスープ(Harira) トマトベースにひよこ豆、レンズ豆、ラム肉が入った栄養満点スープ。断食明けの定番 200〜400円
ケバブ(Kebab) 羊肉や鶏肉の串焼き。スパイスが効いてジューシー。屋台で焼きたてを頬張る幸せ 150〜300円
ブリワット(Briouates) 春巻きのようなパイ。肉入り(おかず系)とアーモンド×蜂蜜(デザート系)の2種類 100〜200円
メシュイ(Mechoui) 羊一頭を丸焼きにした豪快料理。ジューシーでホロホロ。祝祭で食べる特別料理 1,500〜3,000円
タンジア(Tangia) マラケシュ名物。牛肉をスパイスと一緒に壺に入れて炭火で数時間煮込んだもの。肉がトロトロ 600〜1,000円

モロッコのパン・軽食

名前 説明
ホブズ(Khobz) モロッコの国民的丸パン。タジンやスープと一緒に食べる。1個10〜20円
ムスンメン(Msemen) 薄く焼いたパンケーキのようなもの。蜂蜜やジャムをつけて朝食に
バゲラ(Baghrir) 表面に無数の穴があいたクレープ。蜂蜜とバターが染み込んで絶品
シュババキア(Chebakia) 揚げた生地を蜂蜜に浸したお菓子。ゴマがまぶされ、ラマダン時期の定番スイーツ

飲み物

ミントティー(Atay)は、モロッコの国民的ドリンク。緑茶にミントと大量の砂糖を入れて煮出し、高い位置からグラスに注ぎます。この「高い位置から注ぐ」のがポイントで、泡立てることで香りが引き立ちます。1日に何杯も飲むのがモロッコ流。カフェで注文すると100〜200円。

フレッシュオレンジジュースは、ジャマ・エル・フナ広場の名物。搾りたてのオレンジジュースが1杯150〜200円。目の前で搾ってくれるので新鮮そのもの。暑い日の水分補給に最高です。

アボカドジュースも人気。アボカドをミルクと砂糖でシェイクしたもので、デザートのような濃厚さ。日本ではあまり見かけない組み合わせですが、クセになる味です。

なお、モロッコはイスラム教国ですが、アルコールは外国人向けレストランやホテルで提供されています。地ビール「カサブランカ」や「フラッグ」は飲みやすく、500ml缶が200〜300円程度。ただし、路上での飲酒や公共の場での飲酒は避けましょう。

おすすめグルメエリア

ジャマ・エル・フナ広場(マラケシュ)

夕方から屋台が並ぶ。ケバブ、タジン、カタツムリ料理など。活気と煙と匂いの饗宴。値段交渉必須。

ゲリーズ地区(マラケシュ)

新市街のおしゃれエリア。ヨーロッパ風レストラン、カフェ、バーが集中。高級リヤドホテルのレストランも。

フェズ旧市街

迷路のようなメディナ内に隠れ家レストラン多数。屋上テラスで食事できる店がおすすめ。

エッサウィラ港

港で獲れたばかりのシーフードをその場で焼いてくれる。イカ、エビ、魚が新鮮で格安。

グルメのコツ

屋台は値段を先に確認:「いくら?」と先に聞く。食べた後に法外な値段を請求されることも。
金曜日はクスクスの日:多くの家庭で金曜日にクスクスを食べる習慣。レストランでも特別メニュー。
右手で食べる:伝統的にはパンを右手でちぎって食べる。左手は不浄とされる。
水は必ずミネラルウォーター:水道水は飲まない。腹痛の原因に。

モロッコ文化体験

モロッコの魅力は、観光スポットを巡るだけでは終わりません。ハマム(公衆浴場)でのスパ体験、スーク(市場)での値切り交渉、モロッコ料理教室、ベルベル音楽のライブ——「体験」そのものがモロッコ旅行の醍醐味です。

ハマム(モロッコ式スパ)で極上リラックス

ハマムは、モロッコ版のスパ・銭湯です。蒸し暑い部屋でサボン・ノワール(黒石鹸)を体に塗り、ゴム手袋(ケッサ)で垢をゴシゴシこすり落とします。最初は「え、こんなに擦るの?」と驚きますが、終わったあとの肌のツルツル感は感動もの。

ローカルハマムは地元の人が通う公衆浴場で、料金は100〜200円ほど。ただし、設備は簡素で、旅行者には少しハードルが高いかも。観光客向けハマムは、リヤドホテルやスパ施設に併設されており、料金は2,000〜5,000円。アルガンオイルマッサージやローズウォーターパックなどのオプションも充実しています。

女性専用時間帯、男性専用時間帯に分かれているので事前確認を。マラケシュやフェズには高級スパ「ヘリテージスパ」「レ・バン・ド・マラケシュ」などがあり、日本語対応可能な施設もあります。

スークでの値切り交渉を楽しむ

モロッコのスーク(市場)には、値札がありません。すべて交渉次第。「これいくら?」と聞くと、店主は最初に法外な値段を言ってきます。「高すぎる!」と言って半額以下を提示。店主は驚いた顔をして「それは無理だ」と言いますが、そこからが本番です。

相場は最初の言い値の30〜50%。「じゃあいいや」と立ち去るフリをすると、「ちょっと待って!」と呼び止められることも。これを繰り返して、納得のいく値段で合意します。最初は戸惑いますが、慣れてくると交渉そのものがゲームのように楽しくなります。

買うべきもの:革製品(バッグ、バブーシュ)、アルガンオイル、モロッコランプ、陶器、スパイス、絨毯。特にアルガンオイルは、モロッコでしか採れない貴重なオイルで、美容効果抜群。100mlで500〜1,000円。偽物も多いので、信頼できる店で購入しましょう。

モロッコ料理教室に参加

マラケシュやフェズでは、モロッコ料理教室が人気です。市場でスパイスや食材を買い出しするところから始まり、リヤドのキッチンでタジンやクスクスを実際に作ります。料理が完成したら、みんなで屋上テラスで試食。

料金は半日コースで3,000〜6,000円。英語またはフランス語で行われますが、実演メインなので言葉が分からなくても大丈夫。スパイスの使い方、タジン鍋の扱い方など、実践的な知識が学べます。帰国後も自宅でモロッコ料理が作れるようになるのが嬉しいポイント。

ベルベル音楽とグナワ音楽のライブ

モロッコには独特の音楽文化があります。ベルベル音楽は、先住民族ベルベル人の伝統音楽で、太鼓とリズムが特徴。サハラ砂漠のキャンプで聴くベルベル音楽は、星空の下で心に染みます。

グナワ音楽は、西アフリカのルーツを持つ音楽で、トランス状態に入るような反復的なリズムが特徴。エッサウィラでは毎年6月に「グナワ・フェスティバル」が開催され、世界中からミュージシャンが集まります。ライブハウスやレストランでも生演奏が聴けます。

カフェ文化を堪能

モロッコの男性たちは、カフェで何時間もミントティーを飲みながらおしゃべりします。サッカー観戦、カードゲーム、新聞を読む人々。カフェは社交の場です。旅行者も、この「何もしない時間」を楽しんでみてください。

特にジャマ・エル・フナ広場を囲む屋上カフェ「カフェ・デ・フランス」「カフェ・グレシア」は、広場を見下ろす特等席。夕暮れ時、オレンジジュース売りの黄色いテントが並び、モスクからアザーン(祈りの呼びかけ)が響く瞬間は、まさに「モロッコ」です。

モロッコのベストシーズン

モロッコは一年中訪れることができますが、時期によって気候が大きく異なります。サハラ砂漠、海岸、山岳地帯が共存する国なので、訪れるエリアによってもベストシーズンが変わります。

春(3〜5月)

★★★★★

最高のシーズン

気温20〜28度と過ごしやすく、花が咲き乱れる美しい季節。砂漠も暑すぎず、観光に最適。ただし、欧州の復活祭休暇と重なると混雑。航空券・ホテルは早めの予約を。

夏(6〜8月)

★★☆☆☆

エリア次第

内陸部(マラケシュ、フェズ)は40度超えの灼熱地獄。砂漠は50度近くになることも。ただし、エッサウィラなど海岸部は涼しく快適。夏に行くなら海沿いがおすすめ。観光客は多め。

秋(9〜11月)

★★★★★

春と並ぶベスト

夏の暑さが和らぎ、過ごしやすい気候に。特に10〜11月がおすすめ。ナツメヤシの収穫期で、市場が活気づく。夏休みが終わり観光客も減るので、ゆったり観光できる。

冬(12〜2月)

★★★☆☆

穴場シーズン

日中は15〜20度と快適だが、夜は5度以下になることも。砂漠は夜間氷点下も。防寒必須。観光客が少なく、航空券・ホテルが安い。アトラス山脈ではスキーも可能。

結論:春(3〜5月)と秋(9〜11月)がベストシーズン。特に4月と10月は気候、混雑具合、価格のバランスが最高です。夏はビーチリゾート、冬は航空券の安さを狙うなら選択肢に。

ラマダン(断食月)に注意

イスラム暦の第9月がラマダン(断食月)にあたり、日の出から日没まで飲食禁止。多くのレストランが日中閉まり、観光施設の営業時間も短縮されます。2026年のラマダンは2月末〜3月末。この時期は避けるか、事前にレストラン情報を調べておくと安心。

モロッコ旅行の実用情報

ビザ・入国審査

日本国籍の方は、90日以内の観光目的ならビザ不要です。パスポートの残存有効期間が入国時に6ヶ月以上あればOK。入国審査はスムーズで、滞在先ホテルの名前を聞かれる程度。帰りのチケットを求められることもあるので、eチケットをスマホに保存しておきましょう。

通貨・両替・クレジットカード

通貨はモロッコ・ディルハム(MAD)。1MAD=約15円(2026年2月時点)。空港、銀行、両替所で両替できます。空港のレートは若干悪いですが、初日の移動費として最低限両替しておくと安心。市内の銀行や両替所の方がレートが良いです。

クレジットカードは、ホテルや高級レストラン、ツアー会社では使えますが、スークや屋台、ローカル食堂では現金のみ。VISAとMastercardが主流で、AMEXは使えない店も多いです。

ATMキャッシングが便利。主要都市には銀行ATMが多数あり、国際キャッシュカードやクレジットカードで現地通貨を引き出せます。手数料はかかりますが、両替所より安全でレートも良いことが多いです。Wise(旧TransferWise)デビットカードも手数料が安くておすすめ。

通信・eSIM

モロッコでの通信手段は主に3つ。eSIMが最も手軽で、日本出発前にスマホで設定完了。Airalo、Holafly、UbigiFiなどで7日間5GBが1,000〜1,500円程度。現地到着後すぐに使えるので、空港でのタクシー配車や地図アプリに便利です。

現地SIMカードは、空港や市内のキャリアショップ(Maroc Telecom、Orange、Inwi)で購入できます。10GB+通話で500〜800円程度と格安。ただし、SIMロック解除済みのスマホが必要で、設定に手間がかかることも。

海外WiFiレンタルは、複数人でシェアするなら選択肢に。1日800〜1,200円程度。ただし、充電が切れたら全員通信不可になるリスクも。

空港アクセス

空港 市内アクセス 料金
カサブランカ(ムハンマド5世) 鉄道(ONCF)45分/タクシー30分 鉄道43MAD/タクシー250〜300MAD
マラケシュ(メナラ) バス19番/タクシー15分 バス30MAD/タクシー100〜150MAD
フェズ(サイス) タクシー20分(バスなし) タクシー120〜150MAD

タクシー利用時の注意:空港の正規タクシー乗り場から乗車。メーター付きの「プチタクシー」を選び、メーターを使うよう要求。メーターがない場合は事前に料金交渉。夜間や荷物が多い場合は料金が上がることも。アプリ配車(Careem、inDrive)も使えます。

国内移動手段

鉄道(ONCF)は、カサブランカ〜ラバト〜タンジェ、カサブランカ〜マラケシュ、カサブランカ〜フェズを結んでいます。清潔で快適、時刻通りに運行。1等席と2等席があり、1等はリクライニングシート、エアコン付き。カサブランカ〜マラケシュは約3時間、200〜300MAD。オンライン予約も可能。

長距離バス(CTM、Supratours)は、鉄道が走っていないエリアをカバー。特にCTMは外国人にも分かりやすく、オンライン予約可能。マラケシュ〜エッサウィラは約3時間、80〜100MAD。シャウエンやサハラ砂漠方面はバスが主な移動手段。

グランタクシー(Grand Taxi)は、乗り合いタクシー。6人集まったら出発する仕組み。ローカル色が強く、詰め込まれるので快適ではないですが、バスより速く、料金も安い。短距離移動に便利。

レンタカーは、自由に周遊したい人におすすめ。国際免許証が必要。道路状態は良好ですが、運転マナーは日本と異なり、クラクションが頻繁に鳴ります。駐車場は有料が多く、路上駐車は監視員にチップを払う仕組み。1日3,000〜6,000円。

使えるフランス語フレーズ

モロッコではアラビア語とベルベル語が公用語ですが、フランス語が広く通じます。英語は観光地では通じますが、ローカルエリアではフランス語の方が便利。簡単なフレーズを覚えておくと、現地の人との距離が縮まります。

日本語 フランス語 発音
こんにちは Bonjour ボンジュール
ありがとう Merci メルシー
いくらですか? C’est combien? セ・コンビアン?
高すぎます C’est trop cher セ・トロ・シェール
水をください De l’eau, s’il vous plaît ドゥ・ロ、シル・ヴ・プレ
トイレはどこ? Où sont les toilettes? ウ・ソン・レ・トワレット?
助けて Au secours オ・スクール

アラビア語の挨拶も覚えておくと好印象:
サラーム・アライクム(السلام عليكم)= こんにちは
シュクラン(شكرا)= ありがとう
インシャッラー(إن شاء الله)= 神のご加護があれば(「たぶん」「できたらいいね」の意味で頻繁に使われる)

旅行時の注意事項

安全面

スリ・詐欺に注意:観光地ではスリや偽ガイドが多い。貴重品は分散管理。勝手にガイドを始める人は丁寧に断る。
夜間の一人歩き:旧市街の路地は夜暗くなるので、一人歩きは避ける。特に女性は注意。
ぼったくりタクシー:メーターを使わない、遠回りする、法外な料金を請求するタクシーも。事前に相場を調べ、メーター使用を主張。
麻薬の誘い:シャウエンなどで大麻を勧められることがありますが、違法です。絶対に手を出さない。

服装・マナー

露出を控える:イスラム教国なので、肩や膝が隠れる服装が無難。特にモスクや宗教施設では必須。
左手は使わない:食事や握手は右手で。左手は不浄とされる。
写真撮影:人物を撮る前に許可を取る。勝手に撮ると怒られることも。軍事施設、警察は撮影禁止。
ラマダン期間:日中の飲食は公共の場では避ける。レストランは営業していますが、配慮を。

健康・衛生

水道水は飲まない:ミネラルウォーターを購入。レストランの氷も避けた方が安全。
生野菜に注意:屋台の生野菜サラダは腹痛の原因になることも。加熱されたものが安全。
日焼け対策:日差しが強いので、日焼け止め、帽子、サングラス必須。
薬の持参:正露丸、風邪薬、絆創膏など常備薬を持参。砂漠ツアーでは特に。

モデルルート(7泊8日)

初めてのモロッコなら、マラケシュを拠点に周遊するのが王道です。以下は、主要スポットを効率よく回る7泊8日のモデルコースです。

日程 行程
1日目 成田/羽田 → ドバイ/イスタンブール経由 → カサブランカ着(深夜)マラケシュへ移動(宿泊:マラケシュ)
2日目 マラケシュ観光(ジャマ・エル・フナ広場、バヒア宮殿、マジョレル庭園、スーク散策)夕方リヤドでハマム体験(宿泊:マラケシュ)
3日目 マラケシュ → サハラ砂漠ツアー(1泊2日)出発。アトラス山脈越え、アイト・ベン・ハドゥ見学、トドラ渓谷経由でメルズーガへ(宿泊:砂漠キャンプ)
4日目 早朝サハラの日の出鑑賞 → マラケシュへ戻る(夕方着)(宿泊:マラケシュ)
5日目 マラケシュ → フェズへ移動(鉄道で約7時間)フェズ旧市街散策、タンネリ見学(宿泊:フェズ)
6日目 フェズ → シャウエン(バスで4時間)青い街散策、スペイン・モスクで夕日鑑賞(宿泊:シャウエン)
7日目 シャウエン → カサブランカへ移動(バスで6時間)ハッサン2世モスク見学、海沿い散策(宿泊:カサブランカ)
8日目 カサブランカ空港 → 帰国便(経由地で乗り継ぎ)

時間に余裕があれば:エッサウィラ(マラケシュから日帰り)、メクネス(フェズから日帰り)、ラバト(カサブランカから日帰り)も追加可能。10日間あれば全エリアをゆったり周遊できます。

まとめ — 今すぐモロッコへ

サハラ砂漠に沈む夕日の茜色。迷路のような旧市街に響くコーランの祈り。スパイスの香りが立ち込めるスーク。タジン鍋から立ち上る湯気——冒頭で書いたこの景色は、決して誇張ではありません。モロッコは、本当に五感すべてを刺激する国です。

日本から15時間。決して近くはありませんが、その距離を超える価値が、モロッコにはあります。マラケシュの喧騒、フェズの迷路、シャウエンの青、サハラの静寂——どれも、写真や動画では伝わりきらない、現地でしか体験できない感動です。

航空券は10〜15万円、現地は驚くほど安く、7泊8日で25〜35万円あれば十分に楽しめます。ビザも不要、治安も安定、フランス語が通じる——アフリカ・中東初心者でも安心して旅できる国です。

「行こうかな」と思った今が、いちばんいいタイミングです。3ヶ月後の自分が、砂漠の星空の下でミントティーを飲んでいる姿を想像してみてください。リヤドの屋上テラスで、朝日に照らされるマラケシュの赤い街を眺めている姿を。その景色は、あなたを待っています。

さあ、フライトを検索しましょう。モロッコが、あなたを呼んでいます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました